2015/04/21 17:23
2015.04.19

自分流四十代(バスさんのブログ)
いつもコルナゴ修行中(dorokeさんのブログ)も併せてご覧ください。

八ヶ岳実走図
ツール・ド・八ヶ岳ヒルクライム&ダウンヒル実走図

いよいよ僕たちのカテゴリーのスタートです。

号砲一発で一斉に走りだします。
一列目のはずだったのに、いつの間にか後ろの人たちがどんどん前に出てきたようで、スタート直後から十数人の集団の後になりました。
隣のAZUMINOのチームの方についていこうと思いましたが、最初からどんどん離されます。
件のIさんなど背中を確認する暇さえ与えません。
う~ん、そういうことか…と最初から妙に納得してしまいました。

話を戻して、レース前のアップのことです。
脚を温存したくてdorokeさんのアップについていかず、すぐに引き返したことです。
僕は相当なスロースターターで、普段のロングライドでも50kmを越えたころからようやく脚が回り始め、その後ある程度楽に走れるようになります。
アップすればよかったのか、温存してよかったのかはわかりませんが、「勤倹貯蓄型の根性」そのままに脚を惜しんでしまいました。
貯めたその脚をどこかで有効に使うチャンスが巡ってくるでしょうか。

前半の上りは本当にもどかしかったです。頑張りたくても頑張れないのです。
頑張れない自分はレース本番に限ったことではなく、実はいつもと大差なかったのかもしれませんけど…

"やはり少しアップしたほうがよかったのかな"と後悔しましたが、アップすればするで脚が売り切れ状態になったかもしれません。

カテゴリーHと一緒にスタートした女子の速い選手たちにも抜かされます。昨年も抜かされましたが、今年はなんだかどんどん抜かされる気がします。
これはいかんと気合を入れ直しますが、気持ちだけでは自分の走りが修正できません。
行きの車の中でバスさんが「頑張れないときって何やっても頑張れないんだよね」なんて言っていた言葉が脳裏に浮かんできました。人は余計な時によけいなこと思い出すものです。

このままでは家にも帰れない!(実際はみんな無関心だからそんなことはないですが…笑)

ハーフコースのゴールを過ぎるころ、ようやく少し走れる自分が戻ってきました。
しかし残りはあと10kmもありません。
乾坤一擲!ここで挽回しないともうチャンスはありません。

既に目標にする人を失ったので、どの人にしようかきょろきょろ探します。
見ると「バイシクル21杯」というヘビー級(75kg以上)カテゴリーの人らしき姿もちらほら…

言い訳をしますが、このカテゴリーの中には相当速い人がいます。
そんな中で筋肉質でがっちりした、75kgをさほど上回っていそうもない速そうな人をターゲットにしました。
元ラグビーをやっていた知人を思い出させる方です。その知人は相当に速い人でしたが…

上りでなければいい風よけになるのですが、何せ上りです。
速度が遅いからほとんどご利益はありません。彼のお尻を間近に見ながら頑張ります。

30代位のその方と抜きつ抜かれつしながらも、なんとか自分の走りができています。
そう言えば去年もそうだったけど、「最後に自分らしい走りができればそれでいい!」と覚悟をつけました。
そこからはごぼう抜きとは言わないまでも、相当数をかわしました。
もちろん落ちてくる人も含めてですが…

誰しもが辛い上りがさらににきつくなって来た時が勝負です。
幸い脚は回っていますし、走れている気分です。
いや実は気分だけだと後でわかりました。STRAVAの数値が如実にそれを物語っています。
しかし他のヘタレ組はここで更にパワーダウンしていたに違いありません。
だって僕を抜かしていった人はほとんどいませんでしたから。

下がりに下がった順位と、遅れに遅れたタイムを少しでも取り返すには、ここで残り数キロを頑張り通さなければなりません。
特に1700番台や1800番台のカテゴリーの人たちは何としても抜かさなければ、本当に目も当てられない結果になってしまいそうです。
一つ前のスタート組が1700番台で、同スタートの組が1800番台です。

しかし時計を見ると、昨年のタイムを更新するのはほとんど絶望的になりました。
こうなると、やや気落ちするのが人情です。
でもこんな時に自暴自棄になったら、めちゃめちゃな結果になります。いやもうすでにめちゃめちゃですが…
残り少ないエネルギーを傾注して自分にカツを入れます。"頑張れ、俺!"
"もう残りは少ないぞ!ガンバレ!!"と自分に激を飛ばします。

このあたりから、レースを終えて下って来る集団の中にバスさんやdorokeさんの姿を探していました。
顔を見たら、彼らのレースの結果を窺い知ることができますからね。自分のことはもはや期待薄なので、仲間がいい笑顔を見せてくれたらそれでいい…そんなことを考える余裕さえ生まれてきました。
たぶん今回のレースでは、ゴール手前の数キロは自分でも本当に集中できていたと思います。
愉しくて楽しくて、苦しみは一気に吹っ飛んだ不思議な感覚でした。

そんな時、すでにフィニッシュして下ってくるバスさんとドロケさんとすれ違いました。
そのすれ違う瞬間に、「Sさん、頑張れぇぇ~」、「ファイトォォ~」と大声で声援をもらいました。
多分前のセリフがdorokeさん、後の励ましがバスさんだと思います。今もその時の二人の声が耳にこだまします。

ちょうど勾配もゆるくなり飛ばせる地点だったので、ここでギアを一段上げて周囲の人たちを根こそぎパスしました。
1800番台も3人抜かしました。
どこからこんな力が出てくるんだという速度でした。

もうフィニッシュは間近です。
沿道の人々が、「もう少しだよ~」、「がんばれ~」と送ってくれる声援に乗って、ゴール手前も速度を緩めず気持ちよくフィニッシュラインを走り抜けることができました。

タイムは昨年を2分下回りましたが、我ながらよくここまで持ち直したと思います。
来年のために恥を忍んで書き留めておきます。

2014年度 14位 1:40:50 
2015年度 31位 1:42:54

フィニッシュラインを越えた時にはぱらつく程度だった雨が本降りに変わりました。あとから上ってくるであろうMさんが気になります。
ゴール直下の駐車場で預けた荷物を受け取り、下り支度にかかりました。
降る雨はまさに氷雨! 手がかじかんで寒さ対策の衣服を整えるのも手間取ってしまいます。

雨はいよいよ激しさを増し、下り始めた時には顔面にあたる雨粒が痛いほどでした。

ハーフコースのゴールになっている八千穂高原スキー場までの10km弱は、雨に打たれて寒さに震えながらのダウンヒルになりました。
その間も次々とゴールを目指して上ってくる人とすれ違います。Mさんを見つけたら声援を送るつもりでしたが、それも叶わずスキー場のロッジまで下ってしまいました。

1台の自転車を置く場所もないほど駐輪したロードバイクの群れの中、偶然バスさんのバイクを見つけて隣に駐輪することができました。
ロッジで熱いキノコ汁をすすりながら歩き回っていると、バスさんとdorokeさんに会うことができました。

バスさんもdorokeさんも現状で納得できるレースができたようです。実に晴れ晴れとした顔をしていたので安心しました。
特にバスさんは「できすぎだよ!」と嬉しそう。よかった!

Mさんとようさんに、「雨がひどいのでとりあえず駐車場まで下りますので、そこで会いましょう」とメールして雨の中を走りだしました。

ここから15kmほど、降りしきる氷雨の中を駐車場まで下らなければなりません。
生半可な寒さではありませんでした。ハンドルを持つ手が震えて、前輪がぐらぐらしてしまうほどでした。

バスさんの後に着いて、濡れた急斜面を下ります。転倒しないように気をつけながらも、だんだんと速度を上げてしまいます。一刻も早く寒さと雨から逃れたくて…

去年は単に寒かっただけですが、今年はそれに追い打ちをかけるような激しい雨。
バスさんは本当に用意周到で、備えあれば憂いなしの権化のような人。ちゃんと上下の合羽を用意して雨のダウンヒルも快適に下っていきます。
一方僕は「なるようになる」「ぶっつけ本番」が人生訓のような人間です。備えないから憂いばかりで、今回のダウンヒルはとんでもない苦行でした。

ずぶ濡れにはなったものの無事に駐車場に下って、帰り支度に取り掛かりました。
ふと見ると、すぐそばのトイレで雨を避けながらようさんが片づけをしています。

互いにレースを無事に終えたことを喜び、ねぎらいの言葉をかけあいました。
Mさんの現状がわからないのが心配でしたが、その時点では誰も何も確かめることはできませんでした。

別の車に分乗して帰途につくので、全員で待つ意味もありません。
Mさんの車に同乗するようさんを一人残して、我々は一足先に駐車場を後にしました。
年齢以上にしっかりしているようさんだからこそ、彼にMさんを任せて下山することができたのでした。

帰りの車中では前の席で若い二人がレースを振り返って愉しそうに語り合っています。
二人が納得のいくレースができたことを心からよかったと思いました。

後ろの席で僕も自分のレースを振り返っていました…
レースの面白さというか不思議さを経験した今年の八ヶ岳でした。
アップのことを書きましたが、それがタイムにどのように影響するかはもっと経験を積まないとわかりません。
しかし脚を惜しんでアップをしなかったことで、最後の最後に壮快で爽快な走りができて、深く記憶に刻むことができたのかもしれません。去年も使い切るとか出し切るとかとは縁のないレースでしたが、これが一番自分らしいのかなとも思えます。
十分なアップをしておけば、前半のもどかしい走りが解消されて好タイムにつながったかもしれません。
そして使い果たして倒れこむようにゴール…すごくレースらしいけれど

どちらが自分らしいレースだったのか、それも場数を踏まないと何とも言えません。

そして備えあれば…の続きです。バスさんのレースに臨む姿勢は、まさに備えられることはすべて備えるというものでした。
例えば、細かい区間ごとの詳細な走行ペースをきっちりと表にしたものをバイクのトップチューブに貼り付けていました。
もちろんそれだけではなく、他にも僕には到底できない準備をきちんとする人です。
一方僕はレースとお祭りの区別があまりはっきりしていません。なんの準備も用意もほとんどしないので、サプライズだらけです。
今回の氷雨の辛さも「備えないから憂いあり」の当然の結果ですが、こういうのは直らないんですよね。いや直す気がありません。死ななきゃ治らない病のようなものです。

そんなことをつらつらと考えつつ、来年もエントリーしたいなと思う帰りの車中でした。

バスさん、dorokeさん、この二日間本当に愉しく過ごさせてもらいました。
僕の誘いを受けて参加してくださったMさん、そしてようさん、本当にお疲れ様でした。
みなさんお世話になり、ありがとうございました。
来年もみんなで八ヶ岳に会いに来ましょう!


Twitter : @pa_hoehoe



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6 Comments

  • バス 

  • いやぁ~~!!
    一気に読み切ってしまいました!!
    やはり同じレースを走っている他の方がどんな気持ちで同じ時間を過ごしていたかが分かると言うのは面白い物ですね。
    そんな意味でもブログを書く意味と言うのは大きいのかもしれません。
    今回はShimaさんのお誘いが無ければ絶対に出場する事は無かった大会でした。
    でもShimaさんが誘ってくださったおかげでこんなにも楽しく(苦しいw)時間を一緒に過ごさせていただけた事は本当に人生の宝だと思っています。
    本当にありがとうございました。
    次回は富士ですね!!
    又最高に楽しい時間を皆で一緒に過ごしましょう!!
  • 2015/04/21 19:24 | URL   [ 編集 ]
  • shimagnolo 

  • バスさん
    本当にこんな楽しい時間をこの歳になっていただけるとは思いもよらぬことでした。
    それも年寄りの冷や水と思われながらも多少無理をしてきた結果だと自分では思っています。

    我が子のような方々が死力を尽くして頑張る姿を目の当たりに見られるのは、それこそ貴重な経験です。
    しかも本番だけでなく、普段の地味な取り組みも僕はちゃんと見せてもらってますからね。

    同じレースでも友だちが感じて文にしたものは、プロの物書きが書いたものなどとは比較にならない魅力がありますね。
    お互いに文は稚拙でも、その裏に込められた切実な思いを知っているからですね。

    次の富士ヒルクライムでも、先の人生で振り返った時に喜べるような経験をしましょう。
  • 2015/04/21 19:56 | URL   [ 編集 ]
  • doroke 

  • お疲れ様でした!!!
    アップのとき、ふと振り返るとshimaさんが居なくなっていました。
    これも自分のペースを作っているんだと感心いたしましたよ。
    レースの記事、本当に詳細書いていて、ドラマがそこにあったんだと感じます。
    頑張りましたね。いや本当に頑張ったんですよ。
    みんなゴールの後はいい顔してましたね。

    今度の富士もよろしくお願いいたします!!!
  • 2015/04/21 22:50 | URL 
  • Snufkin 

  • 八ヶ岳お疲れ様でした。
    自分も出場予定でしたが、チャリティイベントへ参加したことはご承知の通りです。それにしても、ヒルクライムは距離にするとそれ程長くないですが、時間が結構あるので走っている最中に苦しかったり、楽しかったりと色々なドラマがありますよね。

    来年はぜひ現地でお会いできればと思います!
  • 2015/04/21 22:57 | URL 
  • shimagnolo 

  • dorokeさん、疲れたけれど最高の経験でしたね。

    自分のペースを作るなんてかっこいいもんじゃありませんでしたが…

    思い返してみれば、断っても断ってもdorokeさんが熱心に勧めてくれた去年がなければ、ヒルクライムレースとは無縁のままでした。今年も参加できたこと、本当に感謝しています。
    そして今年は僕が新たな方をお誘いできる立場になりました。

    わずかに1時間半ほどの短い時間ですが、こんなにドラマに満ちて凝縮された時間は他では経験できません。
    順位やタイムなどの結果とは別に、数値で表すことができない部分にこそレースの本質があるのですね。
    頑張って走りぬいた全ての人たちの晴れやかな顔を見ればそれが納得できますね。

    次の富士も楽しんで走ります!
  • 2015/04/22 07:50 | URL   [ 編集 ]
  • shimagnolo 

  • Snufkinさん、ありがとうございます。
    昨年思いがけずお会いできたロッジで、今年もSnufkinさんの姿を探してしまいましたよ。
    レーサーのSnufkinさんが、あえてチャリティーイベントの方に参加したと知ってちょっとうれしくなりました。

    僕は他の若い方々とは全く異なったスタンスでレースに参加させていただいているわけですが、短いけれど凝縮された時間にかけがえのない経験をさせてもらった点は同じだと思っています。

    ヒルクライムレースは、一人一人がドラマの主役となって、逃れられない葛藤を経験できる貴重なチャンスですね。もっと若い時に経験しておくべきだったかなぁ…
  • 2015/04/22 08:10 | URL   [ 編集 ]

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年々の衰えと戦いつつも、ロードレーサーでのつながりを機に写真の世界にもデビューさせてもらいました。六十の手習いをはるかに凌ぐ超遅咲き!
様々な面でペースを合わせて年齢差を埋めてくれる若い友だちに感謝しつつ、今しばらくご一緒させていただきたいと思う日々です。

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