2014/09/07 09:05
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山小屋の朝は早いです。
午前4時には縦走に出立する方々が支度を整えて小屋を出ていきます。

今日の日の出は午前5:10とのことなので、Ishikawa-Sさんが就寝前にアラームのセットをしてくださいました。
にもかかわらず、腕時計を見間違えた僕がまだ眠っているIshikawa-Sさんを4:30より前に起こしてしまいました。
その時Ishikawa-Kさんは既に起きて洗面所で支度を整えているようでした。

部屋の小窓から外を覗くと期待通り晴れています!
早々に支度をし、朝食(5:45)前に燕岳山頂に登ってご来光を拝むことにしました。
時刻はまだ5時よりかなり前です。あたりはまだ薄暗がりというか、我々の住む地域で言えばその暗さは夜中です。

ここで今回の二つ目のトラブルです。
事前にIshikawa-Sさんから持ち物リストいただいていたにもかかわらず、ライトを忘れてきました。今回泊まった山小屋はトイレなどの照明は落としていなかったので夜中は無事でしたが、小屋によっては真っ暗だということです。
そういう不束な準備不足をIshikawa-Sさんからスペアライトをお借りすることで凌がせていただきました。

ピークを目指す早朝登山でもライトがなければ足元の確認ができません。準備不足でいろいろと手間のかかる初心者でした。このことを予測して予備ライトを携行していただいていたなら、誠に申し訳ありませんでした。

20ご来光登山
ご来光登山
早朝に登る方は意外に少なくて、前方に見えるライトはごくわずかです。
前方がIshikawa-Kさんで、僕の直前を歩いているのがIshikawa-Sさんです。

21ご来光登山
ご来光を待ちます
辺りが少しずつ明るさを増してきます。ひんやりと気持ちのいい空気が肌に染み入る感じです。
山頂の気温はどれくらいなのでしょう。それぞれダウンやウインドブレーカーを纏って、静かにその時を待ちます。
Ishikawa-Sさんの指さす先には何があるのでしょう。

22ご来光登山
ご来光 1
水平線が光を放つ前に、上空の雲は既に暁の色に染まり始めています。

23ご来光登山
ご来光 2
見事な夜明けです! その直前にほんの一瞬だけ辺りが輝きを失ったように感じたのは錯覚でしょうか。
すぐに目を射るような金色の光芒が一筋放たれます。

まさにその瞬間、そこに居合わせた人々から感動の声が…漏れることはありませんでした。
辺りの静寂を破ることなく、静かに息を潜めて日の出を見守っています。
かくも厳粛なご来光です。

24ご来光登山
ご来光 3
空気に塵一つの汚れもない山頂では、日の出の光芒はまさに金色の矢となって空気を切り裂いていきます。

25ご来光登山
ご来光 4
この上なく荘厳でドラマチックな自然の営みに立ち会えたことの喜び! 
生涯忘れることはないでしょう。

30燕岳の朝
徐々に現実に引き戻される瞬間です。
周囲の山々もにわかに生き生きと存在し始めます。

31燕岳の朝
昼間は白い目の前の岩も、その姿を一変して金赤色に染まっています。

32燕岳の朝
すっかり夜が明けました。太陽が雲の上に全貌を現わし、あたりには金色の空気が満ちはじめました。

33燕岳の朝
目を転じると…
遠くの山々には手前の山の影が映っています。
稜線付近は朝日に輝いていますが、陰になった谷はまだ夜のしじまに沈んでいます。

34燕岳の朝
すっかり朝です
ドラマの展開は急です。舞台が暗転するように、次の瞬間には昼間の姿を見せます。

35燕岳の朝
狭い登山道の向こうには遥かに雲海が広がっています。

36燕岳の朝
朝日を浴びてひときわ厳しい姿の槍ヶ岳です。
周囲を圧するようにすっくと立ち上がっています。

燕山荘に戻って、最後の食事です。
和食の朝ごはんを美味しくいただきました。
僕だけ御飯をお替りいたしました。ご来光を拝めた感激ですっかりお腹が空いてしまいました。

下山する前に最後の珈琲を淹れていただきました。
37燕岳の朝
燕岳と向かい合って珈琲ブレイク
今朝の珈琲はケニアです。もう最高でしたね!
実は昨晩食事の後で燕山荘のオーナーのお話を伺った時にもIshikawa-Sさんが珈琲を淹れてくださったのですが、思わぬ振りがあって焦りました。
「これなんだかわかりますか?」との問いに、やや慌てながら「エチオピアですか」と答えたのですが、正解でホッとしました。
今回お持ちくださったのは僕の大好きなエチオピアとケニアだったそうです。中でもエチオピアはこの一年僕のもっともお気に入りのスペシャルティー珈琲なのです。
僕にとっては本当にこの上ないおもてなしでした。ありがとうございました。
でも珈琲の銘柄を尋ねる突込みは止めてくださいね。口ばっかりで本当は何もわかっていないのがばれますから(笑)

38燕岳の朝
燕山荘のオーナー
有名な方でネット上でもお顔を拝見できますが、掲載の許可をいただいていないのでぼかしを入れました。
とても素敵な方で、そのお話からも山を愛する想いがひしひしと伝わってきます。
最後にお礼を申し上げて、山を下ります。

39合戦小屋
下山時の合戦小屋
ここまでは昨日と変わらず順調に下ってきましたが…
このたびの登山三つ目のトラブルです。

合戦小屋まで来る途中でも足が震えるような感覚がありました。痛みもだるさも全くありませんでしたが、これが予兆だとわからないのが経験のない者の悲しさですね。
その後も大丈夫だろうとどんどん下って行きます。
すると徐々に脚に力が入らなくなり、段差を降りる時にははなはだ心許ないのです。ひざから崩れそうになります。
しかし痛みがないのでそのまま下り続けましたが…
ある地点までくると、下りはおろかまっすぐに立っているのも困難なほど脚の力が抜けてしまいました。
膝が笑う?なんてものではなく大笑いの状態です。
いやはやこのままで下りきれるのだろうかと、珍しく弱気になりました。
こうなるとせっかちな性格も鳴りを潜めざるを得ません。
こうなる前にも、安全のためにもう少し小股で歩いたほうがいいとアドバイスもいただいていました。
もはやどしどし歩くなどしたくてもできるはずもなく、脚に障害を持ったり、高齢で歩行がままならない方のように一歩踏み出すのも厳しい状態になりました。
もう休み休み下るしかありません。
あまりにも遅いので心配したIshikawa-Sさんが登りかえして様子を見に来てくれました。
「速く下れませんが、痛みもないので大丈夫です。ゆっくり行きますから先にi行ってください」とお伝えし、登山口の小屋で待っていただくことにしました。

その後休憩することでほんの一瞬脚が動くようになりますが、すぐにがくがくになりふらふらしてしまいます。
覚悟を決めて、といってもどう覚悟を決めればいいのかわかりませんが、転倒や転落だけはしないように信じられないほどのヨチヨチ歩きで下ることにしました。

今日は土曜日とあって入山する登山者の数は半端ではありません。
次々と上ってきますが、上り優先をいいことにしょっちゅう立ち止まったり腰かけたりして登りの方々に道を譲りました。これはとてもいい脚休めになりました。
前方から人の声が聞こえたら、姿を認める前に登山道をよけて待つという按配でしたから、進み方は遅々たるものなどという生易しいものではありませんでした。

問題は下りの方が迫ってきた時です。場所によってはすぐによけるのも難しく、無様な姿をさらす場面も度々でした。
その後は背後の足音や話し声に耳を澄ませ、いつでも道を譲れる準備をしながら、歩きはじめの赤ちゃんのような足の運びとなりました。

帰りのバスの時刻に遅れるわけにはいきません。おそらく心配しているであろうIshikawaさんにゆっくりだけれども下っていくから心配しないように、またお風呂などは先に済ませてくれるようにとメールを打ち、相変わらずよろよろの足運びでした。何とか登山口まで下りきるとIshikawa-Kさんが手を振って出迎えてくれました。

Ishikawa-Kさんの膝が本調子ではなかったのでそちらを心配していましたが、立場がすっかり逆転しました。
急いでお風呂に入り、かろうじて帰りのバスに間に合うことができました。
お二人には気をもませて本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
僕が遅れたおかげで昼ご飯も摂れず、途中の八ヶ岳休憩ポイントまで空腹を抱えさせてしまいました。
でも…ここで食べた天ぷらそばが濃い目の味で、五臓六腑にしみわたる程の幸せを感じました。

八ヶ岳からも登山者が乗り込んできて、バスはほとんど満席状態になりました。
それまで隣の席が空いていたので靴を脱いで横になったりしましたが、きつめのブレーキをかけた時に床に転落しました。通路を挟んで座っていた中年の方は見て見ぬふりをしてくれましたが、僕だったら大丈夫ですか?とか言いながら笑いをこらえられなかったでしょう。あえて言えば、これが今回の四つ目のトラブルです。

八ヶ岳から隣の席に座った50歳のサラリーマンの方と愉しく語り合いながら新宿まで退屈をすることがありませんでした。

新宿駅でIshikawaさんご夫妻とお別れして、無事に帰宅しました。
駅の階段を降りる時には手すりにしがみつくような有様でしたが、渋谷からすぐに座席に座れたのがせめてもの救いでした。

Ishikawaさん、この二日間本当にお世話になりました。
もう本当に楽しい二日間で、とても貴重な経験をさせていただきました。

迷惑や心配をかけておきながらですが…
決して負け惜しみではなく、今回の三つ目のトラブルはいい経験になったと思っています。無駄にすることなく必ず今後に活かしていきたいと思っています。
いい歳をしながら、躓きがないのをいいことに自分の体力を過信し、油断だらけの暮らしをしていました。

機会がありましたら、これに懲りずに是非またお誘いいただければ幸せです。

※ここより後はIshikawa-Sさんから頂いた写真です。
登り1jpg

パノラマ登り

パノラマ朝

燕岳朝1

燕岳朝2

燕岳朝3

早朝の槍ヶ岳

燕岳朝


Twitter : @pa_hoehoe


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6 Comments

  • Tetsuya.K 

  • 本当に素晴らしい御来光ですね!
    初登頂で出合えるなんて・・・
    日頃の行いが余程いいんでしょうか?www
    Shimaさんの文学的な表現も相まってまさにその場に立ち合ったようです。
    また、登りたい気にさせますねw
    脚は大丈夫ですか?
    降りはいっ歩いっ歩後ろ足に体重を残しながらユックリ下ることがポイントです。
    病み付きになりそうですね
  • 2014/09/07 15:06 | URL 
  • shimagnolo 

  • > Tetsuya.Kさん
    ありがとうございます。あの場で全身で感じたことをなんと表現すればいいのか、まさに言葉なんて無力なものですね。素晴らしい経験でした。

    日頃の行い?お尋ねいただくまでもありません…全然よくありませんね(笑) ご一緒した方が晴れ男だとか。何から何まで、天候まで含めておんぶにだっこの山行きでした。

    自転車で素晴らしい場面に出会うと知人友人と共有できればいいのにと思うことが多いのですが、今回のご来光はそんな心の余裕さえありませんでした。

    脚は全然だめです。家の中でもヨタヨタしています。怪我や故障ではないので、回復を自然に待つしかありませんね。

    また登りたいと思います。自転車の時もそうですが、辛いことはすぐに雲散霧消しますが、感動したこと愉しかったことは心にしっかり根を生やしています。

    Kondohさん、秋になったらまた自転車で普段走れないところにご一緒しましょう。まずは福島三大ラインでしょうか。
  • 2014/09/07 18:32 | URL   [ 編集 ]
  • みきおじ 

  • shimagnolo様

    なんて表現して良いのか・・・・
    冒険心をくすぐられました。

    いつもいつまでもチャレンジしたいという
    気持ちを大切にしたいです。

  • 2014/09/09 01:00 | URL 
  • shimagnolo 

  • > みきおじさん

    最後にオチがつきましたが、この年齢になって北アルプス登山が経験できたことに本当に感謝しています。
    まずは声をかけて僕の希望をかなえてくださった方に! そしていろいろとアドバイスを下さった方々に!

    今回の登山で、これまでは自然のごく一部しか見ていなかったことに気づかされましたよ。みきおじさんも自転車でも登山でも少しの冒険心を忘れずに楽しんでください。

    いつかご一緒できる日が訪れたら、その時はよろしくお願いいたします。
  • 2014/09/09 11:27 | URL   [ 編集 ]
  • doroke 

  • お疲れ様でした。
    自転車とは違う筋肉、しかも荷物を背負ってですから、筋肉が悲鳴を上げたのかもしれませんね。
    いい景色も満喫したようで、うらやましいです。。
    山の朝は最高ですね!!
  • 2014/09/09 20:55 | URL 
  • shimagnolo 

  • > dorokeさん、ありがとうございます。
    確かに登山は自転車と使う筋肉が違うのですね。でも一番の違いは、登山は上りだけでなく下りでも脚や体力を温存できる場面がないということです。
    むしろ下りの方が脚への負担がずっと大きいことを知りました。

    そして何より経験がないということが一番の問題でした。登山で自分の体力や脚力がどこまでもつものなのか予想さえできませんでした。
    その結果、全行程を通して自分に合ったペース配分が全くできなかったこと、それに加えて正しい上り方や下り方にも無知だったということです。

    当たり前ですが、最初は誰でも初心者ですね。でも僕は謙虚な初心者ではありませんでした。
    同行の方も他の山の先輩もアドバイスを下さったのに、その意味と重要性を理解せず、きちんと受け止めていませんでした。

    自転車でどうにか走れるようになるまでの過程を反芻しながら、登山にも踏んでゆかなければならない段階があることを学びました。

    猛暑に耐えてやっと秋を迎えることができたのだから、またみんなで自転車で峠越えをしましょう。
    「Sさんは自転車が飽きちゃったらしいよ!」なんてからかう友だちもいますが、決してそんなことはありません。
    僕にとってもロードバイクは一生の趣味ですから(笑)
  • 2014/09/09 22:52 | URL   [ 編集 ]

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年々の衰えと戦いつつも、ロードレーサーでのつながりを機に写真の世界にもデビューさせてもらいました。六十の手習いをはるかに凌ぐ超遅咲き!
様々な面でペースを合わせて年齢差を埋めてくれる若い友だちに感謝しつつ、今しばらくご一緒させていただきたいと思う日々です。

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