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2013/09/08 15:04
悲しいかな、子供の頃から病弱で、健康だった記憶がない。ある時期までは…
いつ死んでも悔いがないようにと思ったのだろう。母は僕に殊のほか甘かった。
他の兄弟姉妹たちも、末っ子だった僕が特別扱いされることを仕方がないと諦めていたと思う。

病弱だったことも理由だと思うが、体を動かすことは大嫌いで、そんな暇があったら寝ていた方がいいという考え方だった。
ところがあることをきっかけに自転車に乗るようになった。それも50代も半ばを迎えようという時期である。

自転車で走るには、まず自転車を買わなければならない。
とりあえず大きな自転車屋へ行くことにした。
それが今もお世話になっている相模大野のイトイサイクルだ。

ロードには何の知識もなく、特にリサーチするでもなく、単純にカッコいい自転車が欲しいと思っていた。普通はお店や知識のある人にちゃんと相談してから決めるものだろうが、服を買うのとなんら変わらない感覚だった。今にして思えば、フレームの形とペイントにしか関心がなかったのだから呆れるほかない。

当時は"COLNAGO C40"のアールデコペイントに魅せられ、他のフレームは考えられなかった。
しかもプロのレースで連戦連勝というのだから悪かろうはずがない…と単純に思っていた。
思い込むと他が見えなくなるたちが幸いして?車種で迷うことは一切なく、あとは色をどうするかということだけだった。
振り返ってみれば、ずいぶん大胆というかとんでもないことだ。
コンポの何たるかも知らないし、ホイールが走りを左右するということも分かってない。そんなレベルだった。シマノもカンパも、その違いも特徴も何にも分かってない。

お店に行ってはじめて、ロードバイクはあるレベル以上になると好みのパーツを選んで組んでもらうものだということを知った。そのときになってようやくロードと服は違うということを理解した。

その場で店長に電話で代理店にサイズとカラーの在庫確認をしてもらって即買いだった。
色と形以外はわからないから機械は国産の高性能のものをということで、コンポもホイールもDURA-ACEで組んでもらった。
C40_20130908143908e4b.jpg
当時と変わらないのはフレームだけ。他のパーツは全て何回も載せ替えて現在に至っている。
パフォーマンスの点からすれば完全に時代遅れだが、どうしても手放すことができない。
今はほとんど出番がないが、一番大切なロードバイクかもしれない。

自転車を買った当時、イトイサイクルの店長やUさんはなんと思っていたのだろう。
恐ろしくて聞けないから聞いていない(笑)

実は手元に届いてからが大変だった。
何しろちゃんとしたロードには乗ったことがない。おまけに普通の運動の経験も皆無だ。
そいつがバリバリのプロのレース用機材で走ろうというのだから、無条件で楽しいはずはなかった。
30kmも走るともうフラフラで、あっちが凝ったりこっちが痛んだり、疲労も半端ではなかった。
3日も経たないうちにロードを買ったことを後悔し始めていた。
しかしやめるにやめられない事情が発生した。

その年の幕張でのサイクルショーを朝日新聞が文化欄で大きく取り上げたのだ。
よりによってそこに僕のと同じ自転車の写真が!
いかに高価かというコメントまで付いて載っていた。
妻がそれを見て、「お父さんの自転車ってこんなに高いの!」
これでもう自転車を投げ出すことはできなくなった。

やめられないと覚悟がついてからは、昼も走り、夜になれば多摩サイまで夜錬に出かける日々が続いた。
当時、変形した頚椎が神経を刺激して体に酷い痛みと痺れが出て悩んでいたのだが、おりしもその痛みには自転車がいいとある方からアドバイスをいただいた。
自転車に乗って太股の筋肉を増やすと血行がよくなって痛みや痺れが軽減するというのだ。
あまりにも辛くて藁にもすがる思いだったので、それが自転車を続ける最大の原動力だったかもしれない。

それから幾星霜を経て痛みが消えたばかりか……変われば変わるものだ。変わりすぎた!
「Sさんは週に5日は自転車に乗ってるイメージですよ」(実際にはそんなに乗ってない)
「自転車の上で暮らした方がいいんじゃないの?」(上では暮らせないが、ないと暮らせない)
などなど…言われ放題!

最近では若い自転車仲間からありがたい称号もいただいている。
実はからかっているだけなのだが、曰く「鉄人」、また曰く「サイボーグ」である。
「疲れを知らない年寄りだ!」というだけで、タフな走りができるということではない。
誤解無きよう!

しかし確かなことは、僕が普通の健康人になれたのは偏に自転車のお陰ということだ。

自転車は愉しい!


Twitter: @pa_hoehoe
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4 Comments

  • kenjiro 

  • お久しぶりですSさん。ブログ欠かさず拝見させてもらってます。確かにSさん鉄人ですね。一緒に走って感じたのは、歳をごまかしているんじゃないかと思いました。自分の中のSさんは師匠です。また今度、御一緒させてください。ボーラ35はC59に似合いますね。
  • 2013/09/08 19:51 | URL 
  • shimagnolo 

  • > お久しぶりですSさん。ブログ欠かさず拝見させてもらってます。確かにSさん鉄人ですね。一緒に走って感じたのは、歳をごまかしているんじゃないかと思いました。自分の中のSさんは師匠です。また今度、御一緒させてください。ボーラ35はC59に似合いますね。

    kenjiroさん、コメントありがとうございます。
    夏の道志みち以来ですね。あっ、そのすぐ後にイトイサイクルでお会いしましたっけね。
    でも本当にご無沙汰してます。

    拙いブログを覗いていただいて嬉しいです。
    師匠などと恐れ多いことです。でも歳はごまかしてませんよ(笑)
    kenjiroさんはとてもお忙しい方なのでこちらからお声をかけることは憚られますが、誘っていただけばいつでもどこでもお供しますので、是非声をかけてください。外交辞令ではなくて本心ですよ。
    ほんとにまたご一緒したいです。お誘いお待ちしてます。

    BORA 35をお褒め頂きありがとうございます。
  • 2013/09/08 20:56 | URL 
  • Snufkin777 

  • Shimaさんは鉄人と呼ばれても全然違和感が無いですよ(笑)

    それにしても、皆さんひょんなキッカケから思わぬ形で自転車という趣味に出会いますよね。自分もキッカケは膝の故障でしたが、今ではおおいに楽しんでますし。

    新たなことを学ぶ喜びや発見が意欲を掻き立てるのもあるでしょうね。長く付き合える良い趣味なので、これからも続けて行きたいです。
  • 2013/09/09 21:55 | URL 
  • shimagnolo 

  • > Shimaさんは鉄人と呼ばれても全然違和感が無いですよ(笑)
    >
    > それにしても、皆さんひょんなキッカケから思わぬ形で自転車という趣味に出会いますよね。自分もキッカケは膝の故障でしたが、今ではおおいに楽しんでますし。
    >
    > 新たなことを学ぶ喜びや発見が意欲を掻き立てるのもあるでしょうね。長く付き合える良い趣味なので、これからも続けて行きたいです。


    Snufkinさん

    何歳で自転車を始めても、「もう少し若いときに出会えばよかった」とどなたも異口同音に言います。
    Snufkinさんもそうでしょうか。僕は言っても仕方ないし、悔やんでも何も変わらないですが、マジでもう少しとは言わず、20年いやできれば30年早く出会いたかったですよ。
    Snufkinさんのレースの動画を見ると血が騒ぎます。若い人の走りは本質的に違います。
    同じじゃ困りますけどね(笑)

    でも遅すぎはしなかったことに感謝したいと思います。アウトドアで楽しむことと無縁だった昔と今を比べたら、月とスッポンです。外見は年齢なりに歳をとっていきますが、精神的には老化の進みが少しスローダウンしたかなと感じています。それは若い人たちがいやな顔をせずに付き合って力をくれているからだと思います。

    これからも宜しくお願いします!
  • 2013/09/09 22:16 | URL 

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Author:shimagnolo
2017年、ついに迎えてしまった"古希"
年々の衰えと戦いつつも、ロードレーサーでのつながりを機に写真の世界にもデビューさせてもらいました。六十の手習いをはるかに凌ぐ超遅咲き!
様々な面でペースを合わせて年齢差を埋めてくれる若い友だちに感謝しつつ、今しばらくご一緒させていただきたいと思う日々です。

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