2016/09/29 09:49
2016.09.27

前回のビーナスラインサイクリングは今年の5月15日、kudouさんとようさんを誘って走りました。天候にも恵まれた実に楽しい一日でした。
今回は一人の気安さもあって、いつも通り後先を考えない時間配分・コース配分&体力配分でした。
こんなことで最後までめでたいサイクリングができるわけもなく、最後の最後は心理的にもずいぶん辛い幕切れとなりました。

00美ヶ原
美ヶ原を目指して

43ビーナスライン霧ヶ峰
ビーナスライン:霧ヶ峰
感じ悪い販売員から受け取ったソフトクリームを何の感激もなく食べ終えて次へ向かいます。
いかにも高原ならではの開けた風景に癒されます。しかし勾配は8%ほど、決して癒されるレベルではありません。

45ビーナスライン和田峠付近
ビーナスライン:和田峠付近
しかし長くは続きません。適度なアップダウンを繰り返しながら和田峠を越えます。霧ヶ峰から通過する和田峠は峠というより高原の続きのような風情です。
稜線の上を走っている感覚に近いといえばいいのでしょうか。

46ビーナスライン三峰展望台へ
ビーナスライン:三峰展望台へ
しかしそれもつかの間。三峰展望台への上りに差し掛かります。ただしスズラン峠越えのような厳しさはなく、10%の坂が顔を出すもののほどなく上りきります。

47ビーナスライン三峰展望台へ
ビーナスライン:三峰展望台へ
上りの右側に展開する山岳風景はなかなかのもの、足つきもかねて撮影します。

48ビーナスライン三峰展望台
ビーナスライン:三峰展望台
そして上りきったところに三峰展望台。駐車場の左側に展開するこの光景が好きです。もっと広角のレンズで撮れば右側に切れ込んで落ちていく谷も写るのですが…

49ビーナスライン三峰展望台
ビーナスライン:三峰展望台
茶店の裏手にある展望台です。一度登ればいいかなという程度。むしろ駐車場からの眺めの方が好みです。

50ビーナスライン三峰展望台
ビーナスライン:三峰展望台
こちらは展望台下から右方向のショットです。夏を過ぎた色合いの幾重にも連なる山々、まだ夏の気分を少し漂わせる雲たち、そして既に枯れ始めたススキの穂…いくつもの季節が重なり合います。
やや脚に疲労はあるものの、こんな絶景の中を走れる健康と有り余るほどの時間に恵まれていることに感謝です。

今回のサイクリングではずいぶんたくさんの方からお声をかけていただきました。朝の新宿駅に始まって道中4回、そして自宅近くの駅で輪行を解いている旅の最後も合わせると計5回。
久し振りにテンションマックスで輪行を楽しんでいたので、そんな気配を感じて声をかけてくださったのかもしれません。

三峰展望台に着くと強い風が吹き始めました。扉峠から松本に下るいい口実ができたかもしれない…そんな風に弱気になり始めたところで出会いがありました。

助手席におばあちゃんを乗せてビーナスラインを案内しているという20歳くらいの若者に声をかけました。川崎からやってきたとのこと。
意外にも人なつこい子で、ひとしきり話に花が咲きました。「このあと美ヶ原には是非寄ってみて」というと、「僕も行こうと思っているので、一緒にクルマに乗って行きませんか。おばあちゃんと二人だし」と言うのです。
一瞬気持ちがぐらりとしましたが、そこは自転車乗りにもいささかの矜持はありまして。(笑)
いやそんなものはないかもしれませんが、せっかくのお誘いを丁重に辞退してこっそり扉峠から…というズルい考えが脳裏の片隅にあったことは内緒です。

見上げれば遥か彼方に王ヶ頭の電波塔が日を浴びて輝いています。最後は夜の闇を走る覚悟で美ヶ原に向かうことにしました。

53ビーナスライン美ヶ原へ
ビーナスライン:美ヶ原へ
扉峠までは左右に開けた眺望が楽しめます。いやいやなんとも贅沢な時間です。

54ビーナスライン美ヶ原へ
ビーナスライン:美ヶ原へ
谷を渡る橋からのこの眺めが好きで、必ず自転車を降りる地点です。
しばらくは下り基調…でも結局上り返さなければならないので、せっかく獲得した標高を吐き出すのはもったいない気がします。

松本へのショートカットを断念して、この先で待ち構える本日一番の急な上りにアタックです。
アタック?いえいえそんなカッコいいものではなく、隙あらば写真を撮るふりをして足をつきたい。
ふと思ったのですが、このところそこそこ走っている効果でしょうか。足が攣る気配が全くありませんでした。

55ビーナスライン美ヶ原へ
ビーナスライン:美ヶ原へ
頂上までまだまだ先がある地点ですが、思わず振り返らずにいられません。深い谷と通過した道がここまで頑張ったことを証明してくれています。こんなささやかなことでも心の糧にしないと気力が持ちませんから。w

56ビーナスライン美ヶ原へ
ビーナスライン:美ヶ原へ
大きな峠越えではよく出会う道路の姿!
自転車でヒルクライムする人たちは一様にこの光景が好きですね。前ばっかり見て苦しんでいるんですからね、それはそうです。

美ヶ原寸前の上りを進んでいる時、山本小屋方面から左折して美ヶ原高原美術館の方へ向かう件のおばあちゃんを乗せた若者とすれ違い!
手を振って先に進むのが精一杯でした。この時ダンシングをしようとして、初めて足が攣りそうになりました。

57美ヶ原王ヶ頭へ
美ヶ原:王ヶ頭へ
王ヶ頭へ向かう道は許可車両以外は通行禁止、自転車も押して歩くほかありません。
それにしてもすごく不安定な空模様です。標高2000mともなればちょっとした山頂ですからね、雲の動き一つで一寸先は闇です。

58美ヶ原王ヶ頭へ
美ヶ原:王ヶ頭へ
この先王ヶ頭まで2km以上、さらにそこから自然保護センターへの下りが1km以上はあります。空模様と時刻を考えるとやや不安です…が引き返しはできません。

59美ヶ原王ヶ頭へポニー
美ヶ原:王ヶ頭へ
高原を横切る道の両側には立派な木の柵。道の左右の広い草原には牛馬が放牧されています。
これはポニー。3頭が仲良く草を食んだり熟睡中だったり。辺りの荒涼とした景色に似合わぬ穏やかな出会いでした。

63美ヶ原王ヶ頭へ美の鐘
美ヶ原:王ヶ頭へ
「美しの塔」は美ヶ原のシンボル的な存在。美しい姿です。
霧で視界が悪い時、道に迷った登山者のために鳴らす鐘として建てられたものですが、確かに先ほどまでの視界がウソのように霧や雲で遮断されてしまう美ヶ原です。

65a美ヶ原王ヶ頭へ
美ヶ原:王ヶ頭へ
直ぐ頭上にまで迫る雲の下で何事もないかのように草を食む牛たち。他の放牧地帯ではなかなか見られないこの光景です。
美ヶ原は抜けるような空のものとでは穏やかな顔を見せるものの、一陣の風と共に押し寄せる雲の下では瞬時に荒涼とした姿へと変貌します。

66a美ヶ原王ヶ頭へ
美ヶ原:王ヶ頭へ
歩いてきた道のりを振り返ると、高原美術館の方角には青空が広がっています。

67美ヶ原王ヶ頭へ
美ヶ原:王ヶ頭へ
これから向かう王ヶ頭は雲の中かもしれません。しかも雲が左側から次々と湧いてきます。柵が続く道のかなたに電波塔の姿はまだ見えません。
少し速度を速めないと明るいうちには王ヶ頭ホテルに行き着かないかもしれません。いえ、泊まるわけではないのですができればお茶をしたい。それがダメならせめて写真にとって友だちに報告したいのです。

69美ヶ原王ヶ頭へ
美ヶ原:王ヶ頭へ
空には怪しげな雲が流れ、道は降ったばかりの雨で水たまりができています。風も徐々に強まってきました。

人の姿があったのは「美しの塔」まで。そこからは風に乗って流れてくる霧に濡れながら淡々と、いやむしろワクワクした気分で歩を進めました。
時刻を考えれば呑気に撮影を楽しんでいる場合ではありませんでしたし、最後の急峻で真っ暗闇のダウンヒルも光量の少ないライトでは心もとない限り。

ま、こうしてブログを書いているのだから無事に下り切ったということですが…

70美ヶ原王ヶ頭へ
美ヶ原:王ヶ頭へ
王ヶ頭が近づくと高原は左へと落ち込んでいき、深い谷になります。この辺りは先ほどまでとは全く異なる地形。

雲間から差す光を背後に受けて人らしきシルエットがこちらに向かってきます。

71美ヶ原王ヶ頭へ
美ヶ原:王ヶ頭へ
コートのようなものを羽織った男性です。異界に彷徨い込んでしまったような名状し難い興奮でその場を動くことができませんでした。
何事もないようにそばを通り過ぎるその男性。ただ呆然と見送りました。

72美ヶ原王ヶ頭へ
美ヶ原:王ヶ頭へ
その後には夜の帳が下りるのを静かに待つ山々の姿。辺りは金色の静寂に包まれ、不思議な厳かさに満たされていました。
一瞬の出来事でしたが、あたかも時が止まってしまったかのような錯覚に捉えられました。

73美ヶ原王ヶ頭へ
美ヶ原:王ヶ頭へ
王ヶ頭ホテルまではまだ少し歩かなければなりません。道はすっかり雲の中になってしまいました。現実は写真よりさらに暗いものでした。

74美ヶ原王ヶ頭ホテル
美ヶ原:王ヶ頭ホテル
ようやくたどり着いた王ヶ頭ホテルです。ぼんやりとしか写らないのが残念です。
実際このホテルの佇まいはいい趣味で、泊まりたい誘惑にかられます。
建物の佇まいばかりでなく、王ヶ頭という山の頂にたった1軒しかない宿泊施設という排他的な魅力が惹きつけて止まないのです。

さてここからは実に困難な道のりでした。
まずホテルから王ヶ鼻方面に向かう道さえよく見えません。視界は5mもありません。足元しか見えないというのが実際でした。しかも誰もいません。
過去の薄い記憶をたどりながらそろそろと進みました。
この時確かに王ヶ頭ホテルが山頂だったのだと実感しました。這うようにノロノロ下って行くと視界は少しずつ改善されてきます。

75a美ヶ原王ヶ鼻入り口
美ヶ原:王ヶ鼻入り口
やがて見覚えのある標識が現れました。
ここから自然保護センターまではまだ1.2kmあります。自転車で走れるのはそこからです。しかし真っ暗闇のダウンヒルになるのは必定です。

75美ヶ原王ヶ鼻入り口
美ヶ原:王ヶ鼻入り口
霧が少し晴れてくると辺りが既に紅葉していることに気づかされます。

76自然観察園
美ヶ原自然保護センターへ
この後ひどく荒れた道をとぼとぼと下るのですが、山岳警備隊だか管理人だかがSUVに乗ってすぐ横を通り過ぎました。
その地点から見た不気味な夕焼け空です。空は荒れているようです。雲の飛ぶ様が普通ではありません。

しばらく進むとクルマの赤いリアライトが遠くに見えています。近づいて行くと道を塞ぐゲートががっちり閉められています。先ほどのSUVがその先に停車していました。
人は通過できるものの自転車は頭上に持ち上げないとゲートの向こうには出られません。
おそらく停車中のクルマは僕が下って行くのを待っていてくれた様子です。一礼しながら車の横を通って前に出ました。
ハイカーならともかく自転車を押して歩いているわけですから、何事かと思うのも無理はありません。ご心配をおかけしました。

自然保護センターにはかなりの車が駐車されていますが人の姿はありません。
ようやく自転車に跨って下ります。スカイラインのような道がしばらく続き、そこは空も広く乏しい光量のライトでもどうにか走れます。

79松本へDH
松本市街へDH
この写真を撮ったしばらく手前でのことです。
突然右手でがさがさと大型動物の動きを想像させる音が…
危険を感じて自転車の速度を緩めました。
すると眼前を2頭のシカがかなりのスピードで横切りました。速度を緩めずに走って衝突したらかなりのダメージを受けるところでした。
野生のシカは大きいです。仔牛ほどの体躯でした。

その後もシカに出会うこと2度。彼らは夜行性なのでしょうか。互いに鳴きあう甲高い声が闇を引き裂くように聞こえます。怖い…

80松本へDH
松本市街へDH
松本市街らしい灯りが眼下に見えてきました。少しホッとしましたが、大間違いでした。写真で見てもわかる通り、とんでもなく遠い…
このあとのダウンヒルは生きた心地がしませんでした。これまでも危機的状況に自らを追い込んだこと、一度や二度ではありませんでしたが、浄土平から闇夜に福島まで下った危機感を大きく上回るものでした。

ライトの光量不足も事実ですが、フロントバッグが光をさえぎって左側はほとんど照らしません。右カーブはちゃんと見えるものの、左カーブはせいぜいセンターラインの少し左までしか見えません。
センターラインにそって下るものの、一部には鋲が打ってあるところもあり、左カーブで乗り上げて転倒すれば一大事でした。

しかも長い! いつになったら終わるのと言うくらい長い!
それもそのはず、よく見えないから速度はあまり上げられません。しかも道を間違えて松本市街からやや遠ざかるルートを下ってしまったのです。
あり得ない発想ですが、狐につままれて同じところを下り続けているのではないかという恐怖に襲われました。このまま朝まで下り続けるのか!と
本当に長い下りでした。帰宅後に走行図を確認したらおよそ35kmものダウンヒルだったことがわかります。

実に愉しくも怖い山岳サイクリングでした。
僕のようなノロノロで、しかも写真撮り放題の走りでは日が短くなるこれからは無理でしょう。
懲りないやつと言われそうですが、また日が長くなる来年の初夏にでもチャレンジしようと思っています。
僕にとってここはそれほどに魅力的なコースです。


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2017年、ついに迎えてしまった"古希"
年々の衰えと戦いつつも、ロードレーサーでのつながりを機に写真の世界にもデビューさせてもらいました。六十の手習いをはるかに凌ぐ超遅咲き!
様々な面でペースを合わせて年齢差を埋めてくれる若い友だちに感謝しつつ、今しばらくご一緒させていただきたいと思う日々です。

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