2014/09/07 09:05
燕岳登山:前半へ←ここをクリック
山小屋の朝は早いです。
午前4時には縦走に出立する方々が支度を整えて小屋を出ていきます。
今日の日の出は午前5:10とのことなので、Ishikawa-Sさんが就寝前にアラームのセットをしてくださいました。
にもかかわらず、腕時計を見間違えた僕がまだ眠っているIshikawa-Sさんを4:30より前に起こしてしまいました。
その時Ishikawa-Kさんは既に起きて洗面所で支度を整えているようでした。
部屋の小窓から外を覗くと期待通り晴れています!
早々に支度をし、朝食(5:45)前に燕岳山頂に登ってご来光を拝むことにしました。
時刻はまだ5時よりかなり前です。あたりはまだ薄暗がりというか、我々の住む地域で言えばその暗さは夜中です。
ここで今回の二つ目のトラブルです。
事前にIshikawa-Sさんから持ち物リストいただいていたにもかかわらず、ライトを忘れてきました。今回泊まった山小屋はトイレなどの照明は落としていなかったので夜中は無事でしたが、小屋によっては真っ暗だということです。
そういう不束な準備不足をIshikawa-Sさんからスペアライトをお借りすることで凌がせていただきました。
ピークを目指す早朝登山でもライトがなければ足元の確認ができません。準備不足でいろいろと手間のかかる初心者でした。このことを予測して予備ライトを携行していただいていたなら、誠に申し訳ありませんでした。

ご来光登山
早朝に登る方は意外に少なくて、前方に見えるライトはごくわずかです。
前方がIshikawa-Kさんで、僕の直前を歩いているのがIshikawa-Sさんです。

ご来光を待ちます
辺りが少しずつ明るさを増してきます。ひんやりと気持ちのいい空気が肌に染み入る感じです。
山頂の気温はどれくらいなのでしょう。それぞれダウンやウインドブレーカーを纏って、静かにその時を待ちます。
Ishikawa-Sさんの指さす先には何があるのでしょう。

ご来光 1
水平線が光を放つ前に、上空の雲は既に暁の色に染まり始めています。

ご来光 2
見事な夜明けです! その直前にほんの一瞬だけ辺りが輝きを失ったように感じたのは錯覚でしょうか。
すぐに目を射るような金色の光芒が一筋放たれます。
まさにその瞬間、そこに居合わせた人々から感動の声が…漏れることはありませんでした。
辺りの静寂を破ることなく、静かに息を潜めて日の出を見守っています。
かくも厳粛なご来光です。

ご来光 3
空気に塵一つの汚れもない山頂では、日の出の光芒はまさに金色の矢となって空気を切り裂いていきます。

ご来光 4
この上なく荘厳でドラマチックな自然の営みに立ち会えたことの喜び!
生涯忘れることはないでしょう。

徐々に現実に引き戻される瞬間です。
周囲の山々もにわかに生き生きと存在し始めます。

昼間は白い目の前の岩も、その姿を一変して金赤色に染まっています。

すっかり夜が明けました。太陽が雲の上に全貌を現わし、あたりには金色の空気が満ちはじめました。

目を転じると…
遠くの山々には手前の山の影が映っています。
稜線付近は朝日に輝いていますが、陰になった谷はまだ夜のしじまに沈んでいます。

すっかり朝です
ドラマの展開は急です。舞台が暗転するように、次の瞬間には昼間の姿を見せます。

狭い登山道の向こうには遥かに雲海が広がっています。

朝日を浴びてひときわ厳しい姿の槍ヶ岳です。
周囲を圧するようにすっくと立ち上がっています。
燕山荘に戻って、最後の食事です。
和食の朝ごはんを美味しくいただきました。
僕だけ御飯をお替りいたしました。ご来光を拝めた感激ですっかりお腹が空いてしまいました。
下山する前に最後の珈琲を淹れていただきました。

燕岳と向かい合って珈琲ブレイク
今朝の珈琲はケニアです。もう最高でしたね!
実は昨晩食事の後で燕山荘のオーナーのお話を伺った時にもIshikawa-Sさんが珈琲を淹れてくださったのですが、思わぬ振りがあって焦りました。
「これなんだかわかりますか?」との問いに、やや慌てながら「エチオピアですか」と答えたのですが、正解でホッとしました。
今回お持ちくださったのは僕の大好きなエチオピアとケニアだったそうです。中でもエチオピアはこの一年僕のもっともお気に入りのスペシャルティー珈琲なのです。
僕にとっては本当にこの上ないおもてなしでした。ありがとうございました。
でも珈琲の銘柄を尋ねる突込みは止めてくださいね。口ばっかりで本当は何もわかっていないのがばれますから(笑)

燕山荘のオーナー
有名な方でネット上でもお顔を拝見できますが、掲載の許可をいただいていないのでぼかしを入れました。
とても素敵な方で、そのお話からも山を愛する想いがひしひしと伝わってきます。
最後にお礼を申し上げて、山を下ります。

下山時の合戦小屋
ここまでは昨日と変わらず順調に下ってきましたが…
このたびの登山三つ目のトラブルです。
合戦小屋まで来る途中でも足が震えるような感覚がありました。痛みもだるさも全くありませんでしたが、これが予兆だとわからないのが経験のない者の悲しさですね。
その後も大丈夫だろうとどんどん下って行きます。
すると徐々に脚に力が入らなくなり、段差を降りる時にははなはだ心許ないのです。ひざから崩れそうになります。
しかし痛みがないのでそのまま下り続けましたが…
ある地点までくると、下りはおろかまっすぐに立っているのも困難なほど脚の力が抜けてしまいました。
膝が笑う?なんてものではなく大笑いの状態です。
いやはやこのままで下りきれるのだろうかと、珍しく弱気になりました。
こうなるとせっかちな性格も鳴りを潜めざるを得ません。
こうなる前にも、安全のためにもう少し小股で歩いたほうがいいとアドバイスもいただいていました。
もはやどしどし歩くなどしたくてもできるはずもなく、脚に障害を持ったり、高齢で歩行がままならない方のように一歩踏み出すのも厳しい状態になりました。
もう休み休み下るしかありません。
あまりにも遅いので心配したIshikawa-Sさんが登りかえして様子を見に来てくれました。
「速く下れませんが、痛みもないので大丈夫です。ゆっくり行きますから先にi行ってください」とお伝えし、登山口の小屋で待っていただくことにしました。
その後休憩することでほんの一瞬脚が動くようになりますが、すぐにがくがくになりふらふらしてしまいます。
覚悟を決めて、といってもどう覚悟を決めればいいのかわかりませんが、転倒や転落だけはしないように信じられないほどのヨチヨチ歩きで下ることにしました。
今日は土曜日とあって入山する登山者の数は半端ではありません。
次々と上ってきますが、上り優先をいいことにしょっちゅう立ち止まったり腰かけたりして登りの方々に道を譲りました。これはとてもいい脚休めになりました。
前方から人の声が聞こえたら、姿を認める前に登山道をよけて待つという按配でしたから、進み方は遅々たるものなどという生易しいものではありませんでした。
問題は下りの方が迫ってきた時です。場所によってはすぐによけるのも難しく、無様な姿をさらす場面も度々でした。
その後は背後の足音や話し声に耳を澄ませ、いつでも道を譲れる準備をしながら、歩きはじめの赤ちゃんのような足の運びとなりました。
帰りのバスの時刻に遅れるわけにはいきません。おそらく心配しているであろうIshikawaさんにゆっくりだけれども下っていくから心配しないように、またお風呂などは先に済ませてくれるようにとメールを打ち、相変わらずよろよろの足運びでした。何とか登山口まで下りきるとIshikawa-Kさんが手を振って出迎えてくれました。
Ishikawa-Kさんの膝が本調子ではなかったのでそちらを心配していましたが、立場がすっかり逆転しました。
急いでお風呂に入り、かろうじて帰りのバスに間に合うことができました。
お二人には気をもませて本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
僕が遅れたおかげで昼ご飯も摂れず、途中の八ヶ岳休憩ポイントまで空腹を抱えさせてしまいました。
でも…ここで食べた天ぷらそばが濃い目の味で、五臓六腑にしみわたる程の幸せを感じました。
八ヶ岳からも登山者が乗り込んできて、バスはほとんど満席状態になりました。
それまで隣の席が空いていたので靴を脱いで横になったりしましたが、きつめのブレーキをかけた時に床に転落しました。通路を挟んで座っていた中年の方は見て見ぬふりをしてくれましたが、僕だったら大丈夫ですか?とか言いながら笑いをこらえられなかったでしょう。あえて言えば、これが今回の四つ目のトラブルです。
八ヶ岳から隣の席に座った50歳のサラリーマンの方と愉しく語り合いながら新宿まで退屈をすることがありませんでした。
新宿駅でIshikawaさんご夫妻とお別れして、無事に帰宅しました。
駅の階段を降りる時には手すりにしがみつくような有様でしたが、渋谷からすぐに座席に座れたのがせめてもの救いでした。
Ishikawaさん、この二日間本当にお世話になりました。
もう本当に楽しい二日間で、とても貴重な経験をさせていただきました。
迷惑や心配をかけておきながらですが…
決して負け惜しみではなく、今回の三つ目のトラブルはいい経験になったと思っています。無駄にすることなく必ず今後に活かしていきたいと思っています。
いい歳をしながら、躓きがないのをいいことに自分の体力を過信し、油断だらけの暮らしをしていました。
機会がありましたら、これに懲りずに是非またお誘いいただければ幸せです。
※ここより後はIshikawa-Sさんから頂いた写真です。








Twitter : @pa_hoehoe
山小屋の朝は早いです。
午前4時には縦走に出立する方々が支度を整えて小屋を出ていきます。
今日の日の出は午前5:10とのことなので、Ishikawa-Sさんが就寝前にアラームのセットをしてくださいました。
にもかかわらず、腕時計を見間違えた僕がまだ眠っているIshikawa-Sさんを4:30より前に起こしてしまいました。
その時Ishikawa-Kさんは既に起きて洗面所で支度を整えているようでした。
部屋の小窓から外を覗くと期待通り晴れています!
早々に支度をし、朝食(5:45)前に燕岳山頂に登ってご来光を拝むことにしました。
時刻はまだ5時よりかなり前です。あたりはまだ薄暗がりというか、我々の住む地域で言えばその暗さは夜中です。
ここで今回の二つ目のトラブルです。
事前にIshikawa-Sさんから持ち物リストいただいていたにもかかわらず、ライトを忘れてきました。今回泊まった山小屋はトイレなどの照明は落としていなかったので夜中は無事でしたが、小屋によっては真っ暗だということです。
そういう不束な準備不足をIshikawa-Sさんからスペアライトをお借りすることで凌がせていただきました。
ピークを目指す早朝登山でもライトがなければ足元の確認ができません。準備不足でいろいろと手間のかかる初心者でした。このことを予測して予備ライトを携行していただいていたなら、誠に申し訳ありませんでした。

ご来光登山
早朝に登る方は意外に少なくて、前方に見えるライトはごくわずかです。
前方がIshikawa-Kさんで、僕の直前を歩いているのがIshikawa-Sさんです。

ご来光を待ちます
辺りが少しずつ明るさを増してきます。ひんやりと気持ちのいい空気が肌に染み入る感じです。
山頂の気温はどれくらいなのでしょう。それぞれダウンやウインドブレーカーを纏って、静かにその時を待ちます。
Ishikawa-Sさんの指さす先には何があるのでしょう。

ご来光 1
水平線が光を放つ前に、上空の雲は既に暁の色に染まり始めています。

ご来光 2
見事な夜明けです! その直前にほんの一瞬だけ辺りが輝きを失ったように感じたのは錯覚でしょうか。
すぐに目を射るような金色の光芒が一筋放たれます。
まさにその瞬間、そこに居合わせた人々から感動の声が…漏れることはありませんでした。
辺りの静寂を破ることなく、静かに息を潜めて日の出を見守っています。
かくも厳粛なご来光です。

ご来光 3
空気に塵一つの汚れもない山頂では、日の出の光芒はまさに金色の矢となって空気を切り裂いていきます。

ご来光 4
この上なく荘厳でドラマチックな自然の営みに立ち会えたことの喜び!
生涯忘れることはないでしょう。

徐々に現実に引き戻される瞬間です。
周囲の山々もにわかに生き生きと存在し始めます。

昼間は白い目の前の岩も、その姿を一変して金赤色に染まっています。

すっかり夜が明けました。太陽が雲の上に全貌を現わし、あたりには金色の空気が満ちはじめました。

目を転じると…
遠くの山々には手前の山の影が映っています。
稜線付近は朝日に輝いていますが、陰になった谷はまだ夜のしじまに沈んでいます。

すっかり朝です
ドラマの展開は急です。舞台が暗転するように、次の瞬間には昼間の姿を見せます。

狭い登山道の向こうには遥かに雲海が広がっています。

朝日を浴びてひときわ厳しい姿の槍ヶ岳です。
周囲を圧するようにすっくと立ち上がっています。
燕山荘に戻って、最後の食事です。
和食の朝ごはんを美味しくいただきました。
僕だけ御飯をお替りいたしました。ご来光を拝めた感激ですっかりお腹が空いてしまいました。
下山する前に最後の珈琲を淹れていただきました。

燕岳と向かい合って珈琲ブレイク
今朝の珈琲はケニアです。もう最高でしたね!
実は昨晩食事の後で燕山荘のオーナーのお話を伺った時にもIshikawa-Sさんが珈琲を淹れてくださったのですが、思わぬ振りがあって焦りました。
「これなんだかわかりますか?」との問いに、やや慌てながら「エチオピアですか」と答えたのですが、正解でホッとしました。
今回お持ちくださったのは僕の大好きなエチオピアとケニアだったそうです。中でもエチオピアはこの一年僕のもっともお気に入りのスペシャルティー珈琲なのです。
僕にとっては本当にこの上ないおもてなしでした。ありがとうございました。
でも珈琲の銘柄を尋ねる突込みは止めてくださいね。口ばっかりで本当は何もわかっていないのがばれますから(笑)

燕山荘のオーナー
有名な方でネット上でもお顔を拝見できますが、掲載の許可をいただいていないのでぼかしを入れました。
とても素敵な方で、そのお話からも山を愛する想いがひしひしと伝わってきます。
最後にお礼を申し上げて、山を下ります。

下山時の合戦小屋
ここまでは昨日と変わらず順調に下ってきましたが…
このたびの登山三つ目のトラブルです。
合戦小屋まで来る途中でも足が震えるような感覚がありました。痛みもだるさも全くありませんでしたが、これが予兆だとわからないのが経験のない者の悲しさですね。
その後も大丈夫だろうとどんどん下って行きます。
すると徐々に脚に力が入らなくなり、段差を降りる時にははなはだ心許ないのです。ひざから崩れそうになります。
しかし痛みがないのでそのまま下り続けましたが…
ある地点までくると、下りはおろかまっすぐに立っているのも困難なほど脚の力が抜けてしまいました。
膝が笑う?なんてものではなく大笑いの状態です。
いやはやこのままで下りきれるのだろうかと、珍しく弱気になりました。
こうなるとせっかちな性格も鳴りを潜めざるを得ません。
こうなる前にも、安全のためにもう少し小股で歩いたほうがいいとアドバイスもいただいていました。
もはやどしどし歩くなどしたくてもできるはずもなく、脚に障害を持ったり、高齢で歩行がままならない方のように一歩踏み出すのも厳しい状態になりました。
もう休み休み下るしかありません。
あまりにも遅いので心配したIshikawa-Sさんが登りかえして様子を見に来てくれました。
「速く下れませんが、痛みもないので大丈夫です。ゆっくり行きますから先にi行ってください」とお伝えし、登山口の小屋で待っていただくことにしました。
その後休憩することでほんの一瞬脚が動くようになりますが、すぐにがくがくになりふらふらしてしまいます。
覚悟を決めて、といってもどう覚悟を決めればいいのかわかりませんが、転倒や転落だけはしないように信じられないほどのヨチヨチ歩きで下ることにしました。
今日は土曜日とあって入山する登山者の数は半端ではありません。
次々と上ってきますが、上り優先をいいことにしょっちゅう立ち止まったり腰かけたりして登りの方々に道を譲りました。これはとてもいい脚休めになりました。
前方から人の声が聞こえたら、姿を認める前に登山道をよけて待つという按配でしたから、進み方は遅々たるものなどという生易しいものではありませんでした。
問題は下りの方が迫ってきた時です。場所によってはすぐによけるのも難しく、無様な姿をさらす場面も度々でした。
その後は背後の足音や話し声に耳を澄ませ、いつでも道を譲れる準備をしながら、歩きはじめの赤ちゃんのような足の運びとなりました。
帰りのバスの時刻に遅れるわけにはいきません。おそらく心配しているであろうIshikawaさんにゆっくりだけれども下っていくから心配しないように、またお風呂などは先に済ませてくれるようにとメールを打ち、相変わらずよろよろの足運びでした。何とか登山口まで下りきるとIshikawa-Kさんが手を振って出迎えてくれました。
Ishikawa-Kさんの膝が本調子ではなかったのでそちらを心配していましたが、立場がすっかり逆転しました。
急いでお風呂に入り、かろうじて帰りのバスに間に合うことができました。
お二人には気をもませて本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
僕が遅れたおかげで昼ご飯も摂れず、途中の八ヶ岳休憩ポイントまで空腹を抱えさせてしまいました。
でも…ここで食べた天ぷらそばが濃い目の味で、五臓六腑にしみわたる程の幸せを感じました。
八ヶ岳からも登山者が乗り込んできて、バスはほとんど満席状態になりました。
それまで隣の席が空いていたので靴を脱いで横になったりしましたが、きつめのブレーキをかけた時に床に転落しました。通路を挟んで座っていた中年の方は見て見ぬふりをしてくれましたが、僕だったら大丈夫ですか?とか言いながら笑いをこらえられなかったでしょう。あえて言えば、これが今回の四つ目のトラブルです。
八ヶ岳から隣の席に座った50歳のサラリーマンの方と愉しく語り合いながら新宿まで退屈をすることがありませんでした。
新宿駅でIshikawaさんご夫妻とお別れして、無事に帰宅しました。
駅の階段を降りる時には手すりにしがみつくような有様でしたが、渋谷からすぐに座席に座れたのがせめてもの救いでした。
Ishikawaさん、この二日間本当にお世話になりました。
もう本当に楽しい二日間で、とても貴重な経験をさせていただきました。
迷惑や心配をかけておきながらですが…
決して負け惜しみではなく、今回の三つ目のトラブルはいい経験になったと思っています。無駄にすることなく必ず今後に活かしていきたいと思っています。
いい歳をしながら、躓きがないのをいいことに自分の体力を過信し、油断だらけの暮らしをしていました。
機会がありましたら、これに懲りずに是非またお誘いいただければ幸せです。
※ここより後はIshikawa-Sさんから頂いた写真です。








Twitter : @pa_hoehoe
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2014/09/06 21:19
念願の北アルプス登山が実現しました。
前回の大菩薩嶺に連れて行ってくださった石かわ珈琲のご夫妻と一緒です。
Ishikawa-SさんとIshikawa-Kさんのお二人です。
木曜日の午後10時15分に毎日新聞社本社がある竹橋のパレスサイドビルで待ち合わせしました。
前回は僕の方が後だったので今回は10時よりかなり前に行きました。
イヤレシーバーを耳に入れて音楽を聴きながら歩いていると肩をたたく人が…
Ishikawa-Sさんでした。今回も僕より早く来てらっしゃいました。
僕の姿を認めて名前を呼びながら後を追いかけてきてくれたのに全く聞こえませんでした。
まだ集合時刻には早いのでサンマルクカフェで時間調整をしました。
事前にIshikawa-Sさんから聞いていた話では、登山口近くの道路が狭いのでやや小さめのバスということでした。
確かに大型ではありませんが、座席はゆったりしていてとても快適です。
前夜の寝不足のせいもあって走り出すと間もなく眠りに落ち、談合坂SAまでぐっすり眠ることができました。
登山口に到着するとばしゃばしゃと雨が降っています。しとしとなどという生易しいものではありません。
登山者たちはテントや軒下でレインウエアを着て雨中の登山に備えます。
僕たちもすぐに雨を突いて登り始めます。
ここで今回ひとつめのトラブルが発生しました。
晴れあがって絶景が現れても電池切れで困らぬように、予備電池もフル充電して持参したデジカメがうんともすんとも言いません。
トレッキングポールを握りながら右手に下げていたのでポールにぶつかったり雨に濡れたり…デジカメには過酷な条件でした。
そろそろ寿命なので惜しくはないのですが、今回の登山の写真が撮れないのはかえすがえすも残念です。
スマホのカメラで代用するほかありません。
しかしながら自分のスマホは修理中なので、本日携帯しているのはdocomoから借りている代替品です。
雨水を侵入させたりするとペナルティーが発生するので、雨がやむまで写真は撮れません。
したがってその時まで写真は1枚もなし…
Ishikawaさんから写真を頂いたら画像の空白を埋めようと思います。
登山ルートは足元がよくないものの、雨の登山も悪くはありません。愉しくないまでも、苦痛ではありません。
上りは実に快調なペースでした。かなりの登山者を抜かすことはあっても、一組にも、一人にも抜かされません。
前回の大菩薩嶺の時も感じたのですが、今回も上りは比較的強いと信じ込んでいました…
しかし後になって、これがただの自信過剰か誤解だと判明します。
登るにつれて雨も時々小康状態になり、やがて霧雨程度に落ち着きました。すると遠くの山々が雲の切れ間から姿を覗かせます。
さすがに北アルプスの一角ですね。谷の深さや山の険しさは前回の大菩薩嶺とはスケールが違います。

雨の燕岳
燕山荘にたどり着くと一時は篠突くような勢いだった雨もずいぶん小降りになりましたが、それらしい方向に目を転じても燕岳の影も形もありません。
しかし風がさ~っと吹いて雲が流れ去ると、ほんの一瞬ですが雨空に煙る燕岳が姿を見せてくれます。
今日泊まる燕山荘はこんな天気にもかかわらず引きも切らず登山客が訪れ、日本で一番人気がある山小屋とされているのも頷けます。
僕たちもすぐにはチェックインができないほどの混雑です。
まだお昼ご飯を済ませていないので、チェックインを済ませて早速山小屋での昼食です。
もっともまだ12時にはずいぶん間がありましたけど。

燕山荘のランチ
メニューが豊富で驚きます。
山小屋なのに!というのは山小屋初体験の僕の偏見でしょうか。
他の山小屋のことはわかりませんが…
ビーフシチューランチをご飯大盛りでいただきました。
やはり山小屋でちゃんとおいしい料理が出てくるのは驚きというほかありません。
晩ご飯や朝ごはんも立派な品ぞろえと味付けで、山小屋でこんなにおいしくご飯がいただけるとは思いもよらぬことでした。

燕山荘宿泊棟内部
荷物の整理を済ませたお二人はお昼寝をするというので、山小屋が初めての僕は何もかもが珍しくて起きて館内をあちらこちらを探検して歩きました。
収容できる人数は並々ならぬもので、建物自体の規模も下手なホテル顔負けです。
寝るところはもちろん山小屋らしい雰囲気ですが、整理整頓や掃除が行き届いていてとても清潔で快適です。
本を読んだり写真集を見たりして雨止みを待っていると、次々とグループや団体の登山客が訪れます。
寝泊りする場所があるのかと心配になるほどの人数です。
所在なくて窓からそぼ降る雨を恨みがましく眺めていると、時折雨が上がって雲が流れ、燕岳がちらりと姿を現すようになりました。
やがて青空さえ覗くようになりました。

雨が止んで雲が切れ始めた燕岳
お二人が昼寝から起きてくるころには雨もすっかり止み、頻繁に燕岳が姿を見せるようになりました。
他の登山客たちもこの時を待っていたかのように、ぞろぞろと外へ出てきました。

雲がどんどん流れて…
谷底から湧き上がってくる雲が風に吹き飛ばされて次第に薄らいでいきます。
ついに頂を吹き渡る風が湧き上がる雲をすっかり払って燕岳が全容を見せました。

燕山荘の周囲360度も日が差し始め…
周囲を覆っていた雲も次第に晴れて日差しが出てきました。

初めてのブロッケン現象
人生初のブロッケン現象も見ることができました。
写真では今一つはっきりしませんが、虹のような輪ができてそこに人々の影が映ります。
居合わせた人々は手を振ったり万歳をしたりして自分の姿を映して楽しんでいました。

雨上がりの燕山荘遠景
燕岳に少し近づいて振り返ると、燕山荘のロケーションがいかに素晴らしいかわかります。
燕岳と向き合う小高い山の頂に建っているのです。

全貌を表した燕岳
西の空から少しずつ夕焼けが始まりました。
山を取り巻く雲も間もなく消え去ろうとしています。

雲も茜色に焼けて
雲海のかなたのより高い雲が茜色に染まり始めました。

色とりどりのテント村
色とりどりのキャンプ村にも明かりがともり始めました。
大きくて重い荷物を担いで登ることができる若い人たちにはこういう楽しみ方もあるんですね。

シルエットになった燕岳
夕焼けがその色を益々濃くし、やがて夜の帳が下りようとしています。
燕岳もすでにシルエットになろうとしています。

振り返れば槍ヶ岳も
振り返ると槍ヶ岳が茜色の雲を背景にその姿を見せています。
槍ヶ岳は登山愛好家たちには特別な思い入れがあるようです。
槍ヶ岳が姿を現すと感動の声を上げ、一斉に顔を向けています。
いつかは槍ヶ岳に!そう思っているのでしょうか。

雲海を照らす月
雲海の上には白い月がかかっています。
夕食の後には満天の星空を眺めることもできました。明るい月が出ていてさえ、普段目にすることのできない暗い星々も美しく瞬いています。
この星空と夕焼けは明日の晴天を約束する証に違いありません。
山小屋の消灯時刻は午後9時…
都会では信じられない時刻ですが、明朝ご来光が拝めることを信じて山小屋中が静かに眠りにつきます。
燕岳登山:後半へ←ここをクリック
Twitter : @pa_hoehoe
前回の大菩薩嶺に連れて行ってくださった石かわ珈琲のご夫妻と一緒です。
Ishikawa-SさんとIshikawa-Kさんのお二人です。
木曜日の午後10時15分に毎日新聞社本社がある竹橋のパレスサイドビルで待ち合わせしました。
前回は僕の方が後だったので今回は10時よりかなり前に行きました。
イヤレシーバーを耳に入れて音楽を聴きながら歩いていると肩をたたく人が…
Ishikawa-Sさんでした。今回も僕より早く来てらっしゃいました。
僕の姿を認めて名前を呼びながら後を追いかけてきてくれたのに全く聞こえませんでした。
まだ集合時刻には早いのでサンマルクカフェで時間調整をしました。
事前にIshikawa-Sさんから聞いていた話では、登山口近くの道路が狭いのでやや小さめのバスということでした。
確かに大型ではありませんが、座席はゆったりしていてとても快適です。
前夜の寝不足のせいもあって走り出すと間もなく眠りに落ち、談合坂SAまでぐっすり眠ることができました。
登山口に到着するとばしゃばしゃと雨が降っています。しとしとなどという生易しいものではありません。
登山者たちはテントや軒下でレインウエアを着て雨中の登山に備えます。
僕たちもすぐに雨を突いて登り始めます。
ここで今回ひとつめのトラブルが発生しました。
晴れあがって絶景が現れても電池切れで困らぬように、予備電池もフル充電して持参したデジカメがうんともすんとも言いません。
トレッキングポールを握りながら右手に下げていたのでポールにぶつかったり雨に濡れたり…デジカメには過酷な条件でした。
そろそろ寿命なので惜しくはないのですが、今回の登山の写真が撮れないのはかえすがえすも残念です。
スマホのカメラで代用するほかありません。
しかしながら自分のスマホは修理中なので、本日携帯しているのはdocomoから借りている代替品です。
雨水を侵入させたりするとペナルティーが発生するので、雨がやむまで写真は撮れません。
したがってその時まで写真は1枚もなし…
Ishikawaさんから写真を頂いたら画像の空白を埋めようと思います。
登山ルートは足元がよくないものの、雨の登山も悪くはありません。愉しくないまでも、苦痛ではありません。
上りは実に快調なペースでした。かなりの登山者を抜かすことはあっても、一組にも、一人にも抜かされません。
前回の大菩薩嶺の時も感じたのですが、今回も上りは比較的強いと信じ込んでいました…
しかし後になって、これがただの自信過剰か誤解だと判明します。
登るにつれて雨も時々小康状態になり、やがて霧雨程度に落ち着きました。すると遠くの山々が雲の切れ間から姿を覗かせます。
さすがに北アルプスの一角ですね。谷の深さや山の険しさは前回の大菩薩嶺とはスケールが違います。

雨の燕岳
燕山荘にたどり着くと一時は篠突くような勢いだった雨もずいぶん小降りになりましたが、それらしい方向に目を転じても燕岳の影も形もありません。
しかし風がさ~っと吹いて雲が流れ去ると、ほんの一瞬ですが雨空に煙る燕岳が姿を見せてくれます。
今日泊まる燕山荘はこんな天気にもかかわらず引きも切らず登山客が訪れ、日本で一番人気がある山小屋とされているのも頷けます。
僕たちもすぐにはチェックインができないほどの混雑です。
まだお昼ご飯を済ませていないので、チェックインを済ませて早速山小屋での昼食です。
もっともまだ12時にはずいぶん間がありましたけど。

燕山荘のランチ
メニューが豊富で驚きます。
山小屋なのに!というのは山小屋初体験の僕の偏見でしょうか。
他の山小屋のことはわかりませんが…
ビーフシチューランチをご飯大盛りでいただきました。
やはり山小屋でちゃんとおいしい料理が出てくるのは驚きというほかありません。
晩ご飯や朝ごはんも立派な品ぞろえと味付けで、山小屋でこんなにおいしくご飯がいただけるとは思いもよらぬことでした。

燕山荘宿泊棟内部
荷物の整理を済ませたお二人はお昼寝をするというので、山小屋が初めての僕は何もかもが珍しくて起きて館内をあちらこちらを探検して歩きました。
収容できる人数は並々ならぬもので、建物自体の規模も下手なホテル顔負けです。
寝るところはもちろん山小屋らしい雰囲気ですが、整理整頓や掃除が行き届いていてとても清潔で快適です。
本を読んだり写真集を見たりして雨止みを待っていると、次々とグループや団体の登山客が訪れます。
寝泊りする場所があるのかと心配になるほどの人数です。
所在なくて窓からそぼ降る雨を恨みがましく眺めていると、時折雨が上がって雲が流れ、燕岳がちらりと姿を現すようになりました。
やがて青空さえ覗くようになりました。

雨が止んで雲が切れ始めた燕岳
お二人が昼寝から起きてくるころには雨もすっかり止み、頻繁に燕岳が姿を見せるようになりました。
他の登山客たちもこの時を待っていたかのように、ぞろぞろと外へ出てきました。

雲がどんどん流れて…
谷底から湧き上がってくる雲が風に吹き飛ばされて次第に薄らいでいきます。
ついに頂を吹き渡る風が湧き上がる雲をすっかり払って燕岳が全容を見せました。

燕山荘の周囲360度も日が差し始め…
周囲を覆っていた雲も次第に晴れて日差しが出てきました。

初めてのブロッケン現象
人生初のブロッケン現象も見ることができました。
写真では今一つはっきりしませんが、虹のような輪ができてそこに人々の影が映ります。
居合わせた人々は手を振ったり万歳をしたりして自分の姿を映して楽しんでいました。

雨上がりの燕山荘遠景
燕岳に少し近づいて振り返ると、燕山荘のロケーションがいかに素晴らしいかわかります。
燕岳と向き合う小高い山の頂に建っているのです。

全貌を表した燕岳
西の空から少しずつ夕焼けが始まりました。
山を取り巻く雲も間もなく消え去ろうとしています。

雲も茜色に焼けて
雲海のかなたのより高い雲が茜色に染まり始めました。

色とりどりのテント村
色とりどりのキャンプ村にも明かりがともり始めました。
大きくて重い荷物を担いで登ることができる若い人たちにはこういう楽しみ方もあるんですね。

シルエットになった燕岳
夕焼けがその色を益々濃くし、やがて夜の帳が下りようとしています。
燕岳もすでにシルエットになろうとしています。

振り返れば槍ヶ岳も
振り返ると槍ヶ岳が茜色の雲を背景にその姿を見せています。
槍ヶ岳は登山愛好家たちには特別な思い入れがあるようです。
槍ヶ岳が姿を現すと感動の声を上げ、一斉に顔を向けています。
いつかは槍ヶ岳に!そう思っているのでしょうか。

雲海を照らす月
雲海の上には白い月がかかっています。
夕食の後には満天の星空を眺めることもできました。明るい月が出ていてさえ、普段目にすることのできない暗い星々も美しく瞬いています。
この星空と夕焼けは明日の晴天を約束する証に違いありません。
山小屋の消灯時刻は午後9時…
都会では信じられない時刻ですが、明朝ご来光が拝めることを信じて山小屋中が静かに眠りにつきます。
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Twitter : @pa_hoehoe
2014/08/22 09:26
これまでの人生のうち50年はインドア派、というより閉じこもり派だったのですが、ここ十数年はアウトドア派に宗旨替えいたしました。
宗旨替えというよりようやく能力不足に気づいて、ダメな頭ではなく健康になった身体で余生を楽しもうと思ったわけです。
その後は外で遊んでいる分だけ身体が丈夫になりました。
今日は石かわ珈琲のご夫妻にお誘いいただいて、人生初の登山をすることになりました。
本命の北アルプスは来月初旬に登る予定なので、本日は予行演習的な意味もあっての登山です。
家の駅から6つ先の駅前で6時に待ち合わせしましたが、先に石川さんがお待ちでした。すみません。
そこから登山口までクルマに乗せていただいたので、本当に楽をさせていただきました。何から何までお世話になりっぱなしです。
ご夫婦で交代しながら運転してくださり、僕は後席でのんびりと重役待遇(死語?)でした。

談合坂SAで朝食や補給を兼ねて休憩です。平日とはいえ、さすがに夏休み中の駐車場はクルマでいっぱいです。
その後も快適にドライブを楽しみ、目的の登山口に到着です。
まだ朝も早いのに登山道至近の駐車場は満車で、少し奥に車をデポいたしました。
普段は自転車ではそこそこ走っているものの、二足歩行で移動することがあまりないのでやや心配でしたが…

景色に励まされ、愉しく話をしながら一歩一歩踏みしめて登る登山の楽しさはとても新鮮です。
しかし山岳ロードを走る自転車との共通項も少なくありません。

高度が上昇するにつれて遠くの山々がだんだんと目線に近づき、気温が下がっていくのが肌で感じられます。
時折吹き抜けていく風の涼しさ、爽やかさは決して下界にはありません。
気持ちよくかいた汗もすぐにひいていきます。
富士山もわずかながらその姿を見せてくれています。
ふと足元を見れば名も知らぬ(僕がもの知らずなだけですが)高山植物が風に可憐な姿を揺らしています。

こんな花や

そしてこんな花も

さえずる小鳥の声も間近に聞こえます。
すれ違う時に挨拶をかわす山のエチケットもとても気持ちがいいですね。

上空にはすでに秋の気配が漂い、空を行く雲も夏のそれとは明らかに違います。
眼下のダム湖が湛える水もどこか涼しげです。

樹林帯を抜けると道はとても歩きやすく、遮るもののない広がりのある景色が存分に楽しめます。

見事な景色に気を取られ、よそ見をしていてうっかり躓きそうになります。
自転車にはない、このよそ見ができるところがいいですね。

大菩薩嶺に向かって登っていく道はこの笹の斜面の上にあるようです。

山には数多の登山ルートがあり、大菩薩峠はこんなかわいい幼児ハイカーたちで賑わっていました。
それにしても引率の方々のご苦労はいかばかりでしょう。

豆ハイカーたちの出発を待って記念写真を撮っていただきました。

稜線に出ました。
彼方に連なる南アルプスの山々に見とれてしまいます。

視線の先はこんな絶景です!
連なる南アルプスの中には日本第二の高峰北岳の雄姿も望めます。
北岳に行きませんか!と若い方からお誘いをいただいていますが、体力的にもスケジュール的にもやや難しそうです。もう少し鍛えておきますから、次の機会によろしくお願いしますね。
これまで山にも植物にも全く関心がなかったので、高山植物の名も遠くに霞む山々の名も知りません。
「あれが安達太良山 あの光るのが阿武隈川…」智恵子は指をさしながらそう言ったんでしょうね。

ひときわ高い富士山を背景に、稜線で写真を撮っていただきました。
ゆっくりと歩きやすいペースをキープしてくださったので、足の疲れもザックの重さも全く気になりません。
次回の北アルプスを想定してやや荷物を多めに詰めたザックでしたが、体の特定の部分に負荷がかかることもありません。石川さんに紹介していただいた山用品のお店の店員さんが念入りにチェックして勧めてくださったザックです。フィット性や機能性が大事なギアを選ぶには専門家のアドバイスが大事です。これは自転車も山も同じです。

振り返れば歩いてきた稜線が背後に続いています。
上りも愉しいですが、稜線は山ならではのパノラマが楽しめるのが素晴らしいですね。

本日一番の楽しみです。
必ず用意してくださると信じていました。
いや期待していました。
ところが…
しばらく奮闘していた石川さんですが…「ライターがつかない!」と
まさか火をおこすこともできませんからね、困りました。
で、通りすがる方に火を借りようということになりました。
嫌煙家が増加し、世間の目も厳しくなったのでタバコを吸う方は肩身が狭い最近です。
そんな世相を反映して禁煙家が増えてきたので、ライターやマッチを持っている方はいません。
連続して二人にフラれました。
次いで5~6人連れの高齢の登山仲間がやってきました。
「あれだ!」といったかどうかは確かではありませんが、持っていそうな雰囲気です。
めでたくお借りすることができました。マッチを下さるというのを遠慮しましたが、火加減を調節しているうちに火が消えてしまいました。
件の登山仲間が立ち去る前だったのでもう一度ライターをお借りし、結局マッチもいただきました(笑)

JET BOILの火力というか熱効率は実に素晴らしく、あっという間にお湯が沸きました。
「今日は挽いて持ってきました」と仰る石川さん。グラインダー持参はさすがに無理ですねw

お湯を注ぐといかにもおいしそうな珈琲の香りが辺りに漂います。
風が吹くこんな山上のオープンエアで珈琲を淹れる香りをかぐことができる幸せ!

どこで飲んでもおいしい珈琲は間違いなくどこでもおいしいのですが…
飲めないはずのところで味わえる幸せが、もう本当に極上としか言いようのない珈琲ブレイクを演出してくれます。

下山する前に山頂を目指します。日本百名山の一つである大菩薩嶺です。
本日の最高到達地点2057mです。
自らの脚で到達した最高地点でもあります。
次回の登山では自転車での最高地点、乗鞍岳の畳平2702mを超えることができるでしょうか。
(お昼ご飯を食べすぎて胃が膨らんでますw)

大菩薩嶺から下山ルートへ戻ります。
登りより下りの方が脚への負担はずっと大きいのですね。重力に引っ張られるのを大腿四頭筋でこらえながら気をつけながら下ります。

この景色ともお別れです。最後にもう一度振り返って名残を惜しみます。
トレイルランニングを趣味にしていらっしゃる石川さん、本当はもっと勢い良く下りたいのでしょうね。
途中でちょこっとトレイルランニングでの下りを見せてくださいました。
速い! まさに飛ぶように下って行きます。
これは一定の年齢を超えたら、まず絶対にチャレンジは無理でしょうね。
福ちゃん荘というかわいい名前の山小屋まで下ってきました。
最後の休憩ポイントです。小屋というには立派過ぎる建物で、宿泊はもちろん、必要な食料の調達や水汲み、トイレも設置されています。
ここでちょっと尾籠なお話…
お手洗いを借りることにしました。荷物をベンチに置いて順番にトイレにいきました。
僕が小用をしているとドアの個室からユーモラスなオ○ラが聞こえてきます。
なんかメロディアスで長いので、ニヤニヤしてしまいました。
ベンチに戻ってどんな人が出てくるか注視したのは言うまでもありません。
やっぱりおじさんでした(笑)
ここからは車道を歩いてクルマをデポした駐車場まで下ります。
車道と言っても一般車が通行することはないので、道一杯に歩いても誰の迷惑にもなりません。
道の両側は原始林のような見事な樹林帯です。
クルマで少し下って温泉に入ることにしました。
僕が柳沢峠からの帰りに立ち寄った日帰り温泉です。その名も「大菩薩の湯」です。
一番タフで余裕なはずの石川さん、ここで脚が攣りそうになって歩けません。
温泉の休憩所に一人残して先に風呂を浴びさせてもらい、一足遅れて石川さんも無事に入浴を済ませました。
帰りの中央高速はあちらこちらで渋滞が発生して、ただでさえ疲れているのに運転をしてくださるお二人には申し訳ない限りです。
渋滞が緩和するのを期待して、談合坂で軽く夕ご飯をいただきました。全員担々麺に!
お腹が空いていたこともあって、とてもおいしくいただきました。
その後渋滞を抜けて遠回りをしてわが家の門前まで送り届けていただきました。
本当にお世話になる一方の一日でした。
お蔭で疲れもなく本当に充実した愉しい登山初体験でした。
この程度で「自信がついた!」などとは言いませんが、次を楽しみに待てる初体験ができたことは、偏にお誘いいただいた石川さんご夫妻のお蔭です。
食べ物にしろ、遊びにしろ、その後それを好きになれるかどうかは初体験次第ですね。
山にはまりそうです。自転車との両立を考えなければ…
石川さん、お二人にはお礼の言いようもありません。
そしてどうもお疲れさまでした。
今後は精進して、少しでも自立した登山ができるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
宗旨替えというよりようやく能力不足に気づいて、ダメな頭ではなく健康になった身体で余生を楽しもうと思ったわけです。
その後は外で遊んでいる分だけ身体が丈夫になりました。
今日は石かわ珈琲のご夫妻にお誘いいただいて、人生初の登山をすることになりました。
本命の北アルプスは来月初旬に登る予定なので、本日は予行演習的な意味もあっての登山です。
家の駅から6つ先の駅前で6時に待ち合わせしましたが、先に石川さんがお待ちでした。すみません。
そこから登山口までクルマに乗せていただいたので、本当に楽をさせていただきました。何から何までお世話になりっぱなしです。
ご夫婦で交代しながら運転してくださり、僕は後席でのんびりと重役待遇(死語?)でした。

談合坂SAで朝食や補給を兼ねて休憩です。平日とはいえ、さすがに夏休み中の駐車場はクルマでいっぱいです。
その後も快適にドライブを楽しみ、目的の登山口に到着です。
まだ朝も早いのに登山道至近の駐車場は満車で、少し奥に車をデポいたしました。
普段は自転車ではそこそこ走っているものの、二足歩行で移動することがあまりないのでやや心配でしたが…

景色に励まされ、愉しく話をしながら一歩一歩踏みしめて登る登山の楽しさはとても新鮮です。
しかし山岳ロードを走る自転車との共通項も少なくありません。

高度が上昇するにつれて遠くの山々がだんだんと目線に近づき、気温が下がっていくのが肌で感じられます。
時折吹き抜けていく風の涼しさ、爽やかさは決して下界にはありません。
気持ちよくかいた汗もすぐにひいていきます。
富士山もわずかながらその姿を見せてくれています。
ふと足元を見れば名も知らぬ(僕がもの知らずなだけですが)高山植物が風に可憐な姿を揺らしています。

こんな花や

そしてこんな花も

さえずる小鳥の声も間近に聞こえます。
すれ違う時に挨拶をかわす山のエチケットもとても気持ちがいいですね。

上空にはすでに秋の気配が漂い、空を行く雲も夏のそれとは明らかに違います。
眼下のダム湖が湛える水もどこか涼しげです。

樹林帯を抜けると道はとても歩きやすく、遮るもののない広がりのある景色が存分に楽しめます。

見事な景色に気を取られ、よそ見をしていてうっかり躓きそうになります。
自転車にはない、このよそ見ができるところがいいですね。

大菩薩嶺に向かって登っていく道はこの笹の斜面の上にあるようです。

山には数多の登山ルートがあり、大菩薩峠はこんなかわいい幼児ハイカーたちで賑わっていました。
それにしても引率の方々のご苦労はいかばかりでしょう。

豆ハイカーたちの出発を待って記念写真を撮っていただきました。

稜線に出ました。
彼方に連なる南アルプスの山々に見とれてしまいます。

視線の先はこんな絶景です!
連なる南アルプスの中には日本第二の高峰北岳の雄姿も望めます。
北岳に行きませんか!と若い方からお誘いをいただいていますが、体力的にもスケジュール的にもやや難しそうです。もう少し鍛えておきますから、次の機会によろしくお願いしますね。
これまで山にも植物にも全く関心がなかったので、高山植物の名も遠くに霞む山々の名も知りません。
「あれが安達太良山 あの光るのが阿武隈川…」智恵子は指をさしながらそう言ったんでしょうね。

ひときわ高い富士山を背景に、稜線で写真を撮っていただきました。
ゆっくりと歩きやすいペースをキープしてくださったので、足の疲れもザックの重さも全く気になりません。
次回の北アルプスを想定してやや荷物を多めに詰めたザックでしたが、体の特定の部分に負荷がかかることもありません。石川さんに紹介していただいた山用品のお店の店員さんが念入りにチェックして勧めてくださったザックです。フィット性や機能性が大事なギアを選ぶには専門家のアドバイスが大事です。これは自転車も山も同じです。

振り返れば歩いてきた稜線が背後に続いています。
上りも愉しいですが、稜線は山ならではのパノラマが楽しめるのが素晴らしいですね。

本日一番の楽しみです。
必ず用意してくださると信じていました。
いや期待していました。
ところが…
しばらく奮闘していた石川さんですが…「ライターがつかない!」と
まさか火をおこすこともできませんからね、困りました。
で、通りすがる方に火を借りようということになりました。
嫌煙家が増加し、世間の目も厳しくなったのでタバコを吸う方は肩身が狭い最近です。
そんな世相を反映して禁煙家が増えてきたので、ライターやマッチを持っている方はいません。
連続して二人にフラれました。
次いで5~6人連れの高齢の登山仲間がやってきました。
「あれだ!」といったかどうかは確かではありませんが、持っていそうな雰囲気です。
めでたくお借りすることができました。マッチを下さるというのを遠慮しましたが、火加減を調節しているうちに火が消えてしまいました。
件の登山仲間が立ち去る前だったのでもう一度ライターをお借りし、結局マッチもいただきました(笑)

JET BOILの火力というか熱効率は実に素晴らしく、あっという間にお湯が沸きました。
「今日は挽いて持ってきました」と仰る石川さん。グラインダー持参はさすがに無理ですねw

お湯を注ぐといかにもおいしそうな珈琲の香りが辺りに漂います。
風が吹くこんな山上のオープンエアで珈琲を淹れる香りをかぐことができる幸せ!

どこで飲んでもおいしい珈琲は間違いなくどこでもおいしいのですが…
飲めないはずのところで味わえる幸せが、もう本当に極上としか言いようのない珈琲ブレイクを演出してくれます。

下山する前に山頂を目指します。日本百名山の一つである大菩薩嶺です。
本日の最高到達地点2057mです。
自らの脚で到達した最高地点でもあります。
次回の登山では自転車での最高地点、乗鞍岳の畳平2702mを超えることができるでしょうか。
(お昼ご飯を食べすぎて胃が膨らんでますw)

大菩薩嶺から下山ルートへ戻ります。
登りより下りの方が脚への負担はずっと大きいのですね。重力に引っ張られるのを大腿四頭筋でこらえながら気をつけながら下ります。

この景色ともお別れです。最後にもう一度振り返って名残を惜しみます。
トレイルランニングを趣味にしていらっしゃる石川さん、本当はもっと勢い良く下りたいのでしょうね。
途中でちょこっとトレイルランニングでの下りを見せてくださいました。
速い! まさに飛ぶように下って行きます。
これは一定の年齢を超えたら、まず絶対にチャレンジは無理でしょうね。
福ちゃん荘というかわいい名前の山小屋まで下ってきました。
最後の休憩ポイントです。小屋というには立派過ぎる建物で、宿泊はもちろん、必要な食料の調達や水汲み、トイレも設置されています。
ここでちょっと尾籠なお話…
お手洗いを借りることにしました。荷物をベンチに置いて順番にトイレにいきました。
僕が小用をしているとドアの個室からユーモラスなオ○ラが聞こえてきます。
なんかメロディアスで長いので、ニヤニヤしてしまいました。
ベンチに戻ってどんな人が出てくるか注視したのは言うまでもありません。
やっぱりおじさんでした(笑)
ここからは車道を歩いてクルマをデポした駐車場まで下ります。
車道と言っても一般車が通行することはないので、道一杯に歩いても誰の迷惑にもなりません。
道の両側は原始林のような見事な樹林帯です。
クルマで少し下って温泉に入ることにしました。
僕が柳沢峠からの帰りに立ち寄った日帰り温泉です。その名も「大菩薩の湯」です。
一番タフで余裕なはずの石川さん、ここで脚が攣りそうになって歩けません。
温泉の休憩所に一人残して先に風呂を浴びさせてもらい、一足遅れて石川さんも無事に入浴を済ませました。
帰りの中央高速はあちらこちらで渋滞が発生して、ただでさえ疲れているのに運転をしてくださるお二人には申し訳ない限りです。
渋滞が緩和するのを期待して、談合坂で軽く夕ご飯をいただきました。全員担々麺に!
お腹が空いていたこともあって、とてもおいしくいただきました。
その後渋滞を抜けて遠回りをしてわが家の門前まで送り届けていただきました。
本当にお世話になる一方の一日でした。
お蔭で疲れもなく本当に充実した愉しい登山初体験でした。
この程度で「自信がついた!」などとは言いませんが、次を楽しみに待てる初体験ができたことは、偏にお誘いいただいた石川さんご夫妻のお蔭です。
食べ物にしろ、遊びにしろ、その後それを好きになれるかどうかは初体験次第ですね。
山にはまりそうです。自転車との両立を考えなければ…
石川さん、お二人にはお礼の言いようもありません。
そしてどうもお疲れさまでした。
今後は精進して、少しでも自立した登山ができるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
プロフィール
Author:shimagnolo
2017年、ついに迎えてしまった"古希"
年々の衰えと戦いつつも、ロードレーサーでのつながりを機に写真の世界にもデビューさせてもらいました。六十の手習いをはるかに凌ぐ超遅咲き!
様々な面でペースを合わせて年齢差を埋めてくれる若い友だちに感謝しつつ、今しばらくご一緒させていただきたいと思う日々です。
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